正法眼蔵を読み解く

現代人による正法眼蔵解説

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「雲巌大悲手眼」をめぐる『碧巌録』と『正法眼蔵』   末木文美士

古則解釈の両方向 「雲巌大悲手眼」をめぐる『碧巌録』と『正法眼蔵』 末木文美士 一、文字禅・看話禅・道元 宋代になると、唐から五代にかけての禅師たちの言動が古則として聖典化され、それに参ずるという禅門 の修行法が確立する。その第一歩は、文字禅と…

仮名『正法眼蔵』の成立過程と編集    石井修道

仮名『正法眼蔵』の成立過程と編集 石井修道 一 はじめにー発表の機縁 二〇一六年一二月一六日にフランス国立東方学院のフレデリック・ジラー( FrédéricGirard )先生か ら、パリで講演をしてみないかとメールでお誘いを受けた。ヨーロッパに一度も行ったこ…

道元の無仏性    松岡由香子

道元の無仏性 松岡由香子 禅宗は、おうおう人には仏性があるということを自覚させる宗教、あるいは仏性に目覚めさせる、あるいは仏性を見るという体験をする宗教と思われている。たしかにそのように説き、そのような体験を求める禅もあるだろうが、道元はそ…