正法眼蔵を読み解く

現代人による正法眼蔵解説

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

神道伝承者としての明恵上人 平泉澄

神道伝承者としての明恵上人 平泉澄 神道と仏教との関係を考察するに、それは宗派により、人により、時代によって、種々の相違があって、一概に之を論ずる事が出来ない。即ち仏教の中に、神道に反対し、之を排除しようとする者もあれば、神道を認めて、之と…

歴史神学者平泉澄(二・完) 植村 和秀

歴史神学者平泉澄(二・完) 植村 和秀 はじめに 第一章 歴史神学をもたらすもの 第一節 日本国家の精神的機軸 第二節 ナショナリズムの変質とその日本的変奏(以上、第三七巻第四号)第二章 国史学の神学的代位(以下、本号) 第一節 理性と信仰 第二節 教…

林下幽閑の記 平泉澄

林下幽閑の記 平泉澄 形の上より之を見れば、私は今日最も不幸な者の一人とも考へられるであらう。前には勅任官であつた。今は一野人である。前には十分に俸禄を給せられてゐた。今は収入皆無である。曾ては賓客の来訪頻りであつて、しかも其の中には大臣あ…

明治の大御代 平泉 澄

明治の大御代 平泉 澄 明治天皇の知ろしめた明治時代は、わが国の歴史に於いて、内治外交ともに、最も光彩陸離たる、いはば黄金時代であつた。古くは延喜・天暦の御代が、聖代としてたたへられて、その聖代に復す事が、政治の理想とせられたが、明治の大御代…

旧家 平泉澄

旧家 平泉澄 アッチラ(五世紀中頃のフン族)の劫掠(きょうりゃく)とサラセン(イスラム帝国)の侵入とは、恐るべき脅威として、西欧の記録する所である。しかるに我等は、残虐なる事それに幾倍する侵寇(しんこう)を受けた。わづかなる例外を除いて、都…

後鳥羽天皇を偲び奉る                         平泉澄

後鳥羽天皇を偲び奉る 平泉澄 一 後鳥羽天皇はまことに御不運の御一生を御送り遊ばされました。一天万乗の君として、思ひも寄らず逆賊の為に遠く隠岐の小島に遷幸遊ばされ、孤島の御幽居十有九年の長きに亙り、遂に其の儘彼の島に於いて崩御遊ばされました御…

大正・昭和戦前期における徳富蘇峰と平泉澄

大正・昭和戦前期における徳富蘇峰と平泉澄 ―その史学史的考察― 高野山大学助教 坂口 太郎 目 次 問題の所在と本書の視角・方法 第一節 日本近代史学史をめぐる研究史と本書の課題 第二節 本書の視角と方法 序章 注 『近世日本国民史』と初期平泉史学の時代…