正法眼蔵を読み解く

現代人による正法眼蔵解説

2022-04-15から1日間の記事一覧

禅問答というもの      入矢義高

禅問答というもの 入矢 義高 かつて京都大徳寺の管長であった後藤瑞巌(1879―1965)老師はその任から退かれた後も、求道者に応接せられたが、英語に堪能であった為もあって、外人と会われる事も多かった。ある時、初めて訪れて来た一人の外人と対談の際、お…

雨垂れの音       入矢義高

雨垂れの音 入矢 義高 『碧巌録』第四十六則(「大正蔵」四八・一八二b一九)に「鏡清雨滴声」というのがある。その話はこうである。 あるとき鏡清和尚が僧に問うた、「門の外のは何の音かな」。 僧、「雨垂れの音です」。 鏡清、「衆生は顛倒して、己れを迷…

驢事と馬事 入矢義高

驢事と馬事 入矢 義高 満開の桃の花を見て悟りを開いたという霊雲禅師に、稜(りょう)道者が訊ねた、「仏法の大意は何でしょうか」と。大意とは根本義または本質のこと。これに対する霊雲に答えは、「驢事未だ去らざるに、馬事到来す」であった。「ロバの仕…