正法眼蔵を読み解く

現代人による正法眼蔵解説

2020-01-01から1年間の記事一覧

正法眼蔵第六十三 発無上心 (聞書・抄)

詮慧・経豪 正法眼蔵第六十三 発無上心 (聞書・抄) 西国高祖曰、雪山喩大涅槃。しるべし、たとふべきをたとふ。たとふべきといふは、親曾なるなり、端的なるなり。いはゆる雪山を拈来するは喩雪山なり。大涅槃を拈来する、大涅槃にたとふるなり。 詮慧 〇…

正法眼蔵祖師西来意

正法眼蔵第六十二 祖師西来意 香嚴寺襲燈大師〈嗣大潙、諱智閑〉示衆云、如人千尺懸崖上樹、口銜樹枝、脚不蹈樹、手不攀枝。樹下忽有人問、如何是祖師西來意。當恁麼時、若開口答佗、即喪身失命、若不答佗、又違佗所問。當恁麼時、且道、作麼生即得。時有虎…

正法眼蔵第六十二「祖師西來意」を読み解く

正法眼蔵第六十二「祖師西來意」を読み解く 香嚴寺襲燈大師〈嗣大潙、諱智閑〉示衆云、如人千尺懸崖上樹、口㘅樹枝、脚不蹈樹、手不攀枝。樹下忽有人問、如何是祖師西來意。當恁麼時、若開口答佗、即喪身失命、若不答佗、又違佗所問。當恁麼時、且道、作麼生…

正法眼蔵 第六十二 祖師西来意(聞書・抄)

詮慧・経豪 正法眼蔵 第六十二 祖師西来意(聞書・抄) 香厳寺襲燈大師〈嗣大潙、諱智閑〉示衆云、如人千尺懸崖上樹、口㘅樹枝、脚不踏樹、手不攀枝。樹下忽有人問、如何是祖師西来意。当恁麼時、若開口答佗、即喪身失命、若不答佗、又違佗所問。当恁麼時、…

正法眼蔵龍吟

正法眼蔵 第六十一 龍吟 一 舒州投子山慈濟大師、因僧問、枯木裏還有龍吟也無。 師曰、我道、髑髏裏有師子吼。 枯木死灰の談は、もとより外道の所教なり。しかあれども、外道のいふところの枯木と、佛祖のいふところの枯木と、はるかにことなるべし。外道は…

正法眼蔵第六十一「龍吟」を読み解く

正法眼蔵第六十一「龍吟」を読み解く 舒州投子山慈濟大師、因僧問、枯木裏還有龍吟也無。 師曰、我道、髑髏裏有師子吼。 枯木死灰の談は、もとより外道の所教なり。しかあれども、外道のいふところの枯木と、佛祖のいふところの枯木と、はるかにことなるべし…

正法眼蔵 第六十一 龍吟(聞書・抄)

詮慧・経豪 正法眼蔵 第六十一 龍吟(聞書・抄) 舒州投子山慈済大師、因僧問、枯木裏還有龍吟也無。師曰、我道、髑髏裏有師子吼。 枯木死灰の談は、もとより外道の所教なり。しかあれども、外道のいふところの枯木と、仏祖のいふところの枯木と、はるかにこ…

正法眼蔵第六十「三十七品菩提分法」を読み解く

正法眼蔵第六十「三十七品菩提分法」を読み解く 古佛の公案あり、いはゆる三十七品菩提分法の教行證なり。昇降階級の葛藤する、さらに葛藤公案なり。喚作諸佛なり、喚作諸祖なり。 四念住四念處とも稱ず 一者、觀身不淨。二者、觀受是苦。三者、觀心無常。四…

正法眼蔵第六十 三十七品菩提分法 註解(聞書・抄)

詮慧・経豪 第六十 三十七品菩提分法 註解(聞書・抄) 古仏の公案あり、いはゆる三十七品菩提分法の教行証なり。昇降階級の葛藤する、さらに葛藤公案なり。喚作諸仏なり、喚作諸祖なり。 詮慧 〇「三十七品菩提分法」と云う、分法とは三十七品みな分と云わ…

正法眼蔵 第六十 三十七品菩提分法

正法眼蔵 第六十 菩提分法 第一段 古佛の公案あり、いはゆる三十七品菩提分法の教行證なり。昇降階級の葛藤する、さらに葛藤公案なり。喚作諸佛なり、喚作諸祖なり。 毎巻 の如く冒頭に此の『三十七品菩提分法』巻の総意・要旨を述べられます。 「古仏の公案…

正法眼蔵家常

正法眼蔵第五十九 家常 おほよそ佛祖の屋裡には、茶飯これ家常なり。この茶飯の義、ひさしくつたはれて而今の現成なり。このゆゑに、佛祖茶飯の活計きたれるなり。 今回は「家常」についての提唱ですが、これは「よのつね」と読みます。 「おほよそ仏祖の屋…

正法眼蔵第五十九「家常」を読み解く

正法眼蔵第五十九「家常」を読み解く おほよそ佛祖の屋裡には、茶飯これ家常なり。この茶飯の義、ひさしくつたはれて而今の現成なり。このゆゑに、佛祖茶飯の活計きたれるなり。 大陽山楷和尚、問投子曰、佛祖意句、如家常茶飯。離此之餘、還有爲人言句也無…

正法眼蔵第五十九 家常 註解(聞書・抄)

詮慧・経豪 正法眼蔵第五十九 家常 註解(聞書・抄) おほよそ仏祖の屋裡には、茶飯これ家常なり。この茶飯の義、ひさしくつたはれて而今の現成なり。このゆゑに、仏祖茶飯の活計きたれるなり。 詮慧 〇「仏祖の屋裡には、茶飯これ家常」と云う、茶飯ならぬ…

正法眼蔵眼睛

正法眼蔵第五十八 眼睛 億千萬劫の參學を拈來して團圝せしむるは、八萬四千の眼睛なり。 今回の提唱はほとんどが『如浄語録』からの引用で「眼睛」を参究されるわけですが、冒頭に此語で以て、「億千万劫」という無限数をして団欒(円満成就)とするは八万四…

正法眼蔵第五十八「眼睛」を読み解く

正法眼蔵第五十八「眼睛」を読み解く 億千萬劫の參學を拈來して團圝せしむるは、八萬四千の眼睛なり。 先師天童古佛、住瑞巖時、上堂示衆云、秋風清、秋月明。大地山河露眼睛。瑞巖點瞎重相見。棒喝交馳験衲僧。 いま衲僧を験すといふは、古佛なりやと験する…

正法眼蔵 第五十八眼睛  註解(聞書・抄)

詮慧・経豪 正法眼蔵 第五十八眼睛 註解(聞書・抄) 億千万劫の参学を拈来して団圝せしむるは、八万四千の眼睛なり。 詮慧 ○「団圝」とは、まろなるこころなり。 ○「八万四千の眼睛也」という、八万四千の塵労ぞ、毛穴ぞなどと云うを、打ち返して八万四千陀…

正法眼蔵遍参

正法眼蔵第五十七 遍参 佛祖の大道は、究竟參徹なり。足下無糸去なり。足下雲生なり。しかもかくのごとくなりといへども、花開世界起なり、吾常於此切なり。このゆゑに甜苽徹蔕甜なり、苦瓠連根苦なり。甜々徹蔕甜なり。かくのごとく參學しきたれり。 本則・…

正法眼蔵第五十七「遍參」を読み解く

正法眼蔵第五十七「遍參」を読み解く 佛祖の大道は、究竟參徹なり。足下無糸去なり。足下雲生なり。しかもかくのごとくなりといへども、花開世界起なり、吾常於此切なり。このゆゑに甜苽徹蔕甜なり、苦瓠連根苦なり。甜々徹蔕甜なり。かくのごとく參學しきた…

正法眼蔵五十七 徧参(聞書・抄)

詮慧・経豪 正法眼蔵五十七 徧参(聞書・抄) 仏祖の大道は、究竟参徹なり。足下無糸去なり。足下雲生なり。しかもかくのごとくなりといへども、花開世界起なり、吾常於此切なり。 このゆゑに甜苽徹蔕甜なり、苦瓠連根苦なり。甜々徹蔕甜なり。かくのごとく…

正法眼蔵見仏

正法眼蔵第五十六 見仏 釋迦牟尼佛、告大衆言、若見諸相非相、即見如來。 いまの見諸相と見非相と、透脱せる體達なり。ゆゑに見如來なり。この見佛眼すでに參開なる現成を見佛とす。見佛眼の活路、これ參佛眼なり。自佛を佗方にみ、佛外に自佛をみるとき、條…

正法眼蔵第五十六「見佛」を読み解く

正法眼蔵第五十六「見佛」を読み解く 釋迦牟尼佛、告大衆言、若見諸相非相、即見如來。 いまの見諸相と見非相と、透脱せる體達なり。ゆゑに見如來なり。この見佛眼すでに參開なる現成を見佛とす。見佛眼の活路、これ參佛眼なり。自佛を佗方にみ、佛外に自佛…

正法眼蔵十方

正法眼蔵 第五十五 十方 拳頭一隻、只箇十方なり。赤心一片、玲瓏十方なり。敲出骨裏髓了也。 釋迦牟尼佛、告大衆言、十方佛土中、唯有一乘法。 いはゆる十方は、佛土を把來してこれをなせり。このゆゑに、佛土を拈來せざれば十方いまだあらざるなり、佛土な…

詮慧・経豪 正法眼蔵第五十六 見仏 (聞書・抄)

詮慧・経豪 正法眼蔵第五十六 見仏 (聞書・抄) 釈迦牟尼仏、告大衆言、若見諸相非相、即見如来。いまの見諸相と見非相と、透脱せる体達なり。ゆゑに見如来なり。 この見仏眼すでに参開なる現成を見仏とす。見仏眼の活路、これ参仏眼なり。 自仏を佗方にみ…

正法眼蔵第五十五「十方」を読み解く

正法眼蔵第五十五「十方」を読み解く 拳頭一隻、只箇十方なり。赤心一片、玲瓏十方なり。敲出骨裏髓了也。 釋迦牟尼佛、告大衆言、十方佛土中、唯有一乘法。 いはゆる十方は、佛土を把來してこれをなせり。このゆゑに、佛土を拈來せざれば十方いまだあらざる…

正法眼蔵洗浄

正法眼蔵第五十四 洗浄 一 佛祖の護持しきたれる修證あり、いはゆる不染汚なり。 南嶽山觀音院大慧禪師、因六祖問、還假修證不。大慧云、修證不無、染汚即不得。六祖云、只是不染汚、諸佛之所護念。汝亦如是、吾亦如是、乃至西天祖師亦如是云々。 大比丘三千…

詮慧・経豪 正法眼蔵 第五十五 十方 (聞書・抄)

詮慧・経豪 正法眼蔵 第五十五 十方 (聞書・抄) 拳頭一隻、只箇十方なり。赤心一片、玲瓏十方なり。敲出骨裏髄了也。 詮慧 〇「十方」と云う事は、一世界の上に置きて、十方を立ててする故に、定まれる東西なし。阿弥陀の国土は、是より西方と説けども、さ…

正法眼蔵第五十四「洗淨」を読み解く

正法眼蔵第五十四「洗淨」を読み解く 佛祖の護持しきたれる修證あり、いはゆる不染汚なり。 南嶽山觀音院大慧禪師、因六祖問、還假修證不。大慧云、修證不無、染汚即不得。六祖云、只是不染汚、諸佛之所護念。汝亦如是、吾亦如是、乃至西天祖師亦如是云々。 …

正法眼蔵梅花

正法眼蔵第五十三 梅花 一 先師天童古佛者、大宋慶元府太白名山天童景徳寺第三十代堂上大和尚なり。 上堂示衆云、天童仲冬第一句、槎々牙々老梅樹。忽開花一花兩花、三四五花無數花。清不可誇、香不可誇。散作春容吹草木、衲僧箇々頂門禿。驀箚變怪狂風暴雨…

詮慧・経豪 正法眼蔵第五十四 洗浄 (聞書・抄)

詮慧・経豪 正法眼蔵第五十四 洗浄 (聞書・抄) 仏祖の護持しきたれる修証あり、いはゆる不染汚なり。南嶽山観音院大慧禅師、因六祖問、還仮修証不。大慧云、修証不無、染汚即不得。六祖云、只是不染汚、諸仏之所護念。汝亦如是、吾亦如是、乃至西天祖師亦…

正法眼蔵第五十三「梅花」を読み解く

正法眼蔵第五十三「梅花」を読み解く 先師天童古佛者、大宋慶元府太白名山天童景徳寺第三十代堂上大和尚なり。 上堂示衆云、天童仲冬第一句、槎々牙々老梅樹。忽開花一花兩花、三四五花無數花。清不可誇、香不可誇。散作春容吹草木、衲僧箇々頂門禿。驀箚變…